10月4日、自民党総裁選で高市早苗氏が選出。
自民党史上初の女性総裁が誕生しました。
わずか6日後の10日、公明党が26年続いた与党連立からの離脱を表明。
新体制の船出は、前例のない荒波となりました。
本稿では①各報道の要点、②国会内の力学と首相指名の見通し、③政策・選挙へのインパクト、④3つの政局シナリオを整理します。
何が起きたのか
10/4:自民党総裁選
高市氏が決選投票で小泉進次郎氏を退け、新総裁に選出。党本部のリリースは、決選投票で高市氏185票、小泉氏156票と詳細を公表しています(党所属議員票+都道府県票の合算)。
自民党70年の歴史で初の女性総裁でもあります。
10/10:公明党、連立離脱
政治資金を巡る自民の不祥事対応を主因に、公明党が自公連立の解消を決断。新総裁の高市氏に対しても「政治とカネ」への姿勢を疑問視し、衆参いずれでも自民は単独過半数に届かない局面に。
首相指名選出を控える中での“同盟解消”は、高市氏の政権発足に直撃弾となりました。
前提:高市氏の政治的立ち位置
安全保障・改憲に積極的な保守色が強く、経済では財政出動に前向き。
一方で、靖国参拝や歴史認識、社会政策(選択的夫婦別姓・同性婚)などでは賛否を分ける論点を抱え、支持の裾野づくりは容易ではありません。
国会の力学と「首相指名」の見通し
いつ、どう決まるのか
臨時国会で衆参が首相指名選挙を行い、両院で異なる結果なら衆院優越で衆院の指名が最終決定となります。
時期は“10月中旬”が軸と見られ、手続き上は衆院第1党の自民が有利ですが、単独過半数を欠くため、衆院本会議での票読みが最大の焦点です。
数の論理:自民は“勝てるが、統治は難しい”
自民は最大勢力であるものの、公明離脱で衆参とも過半数割れ。
他党・無所属の協力なしでは政権発足後の法案・予算審議で詰みやすく、首班指名「だけ」通っても、統治能力(ガバナビリティ)に疑問符がつきます。
野党側の動き
立憲民主党などは、首相指名での一本化や戦術的な連携を模索。公明党の去就がキャスティングボート化し、票の寄せ集め次第では決選の展開も。
もっとも、理念距離や地域事情が壁となり、野党大同団結は容易ではありません。
政策・市場・選挙へのインパクト
政治とカネ:与党の“第一関門”
連立離脱の直接原因は、政治資金問題の再発防止・透明化を巡る不信でした。
高市氏が党人事・ガバナンス改革・法改正パッケージでどこまで踏み込むかが、再連携や局面打開の試金石。
改革が甘ければ、法案処理も選挙も逆風です。
安全保障・憲法:数の壁
防衛力整備や敵基地反撃能力、緊急事態条項などは公明のブレーキが外れる半面、国会過半の新たな確保が必須。
維新・国民民主との政策相性は相対的に高いが、消費税・労働・地方分権などで調整が必要になります。
経済・市場の視線
積極財政や減税観測で株高・円安に振れた局面もある一方、国債金利の上昇や財政規律への警戒も強まっています。
党人事で麻生太郎氏(副総裁)や鈴木俊一氏(幹事長)を起用し財政タカ派の“錘(おもり)”を置いたのは、市場安定狙いのメッセージです。
連立再編の顔ぶれ次第で相場は神経質に。
選挙の地殻変動
長年、自公は小選挙区の住み分けと学会組織票で“勝ち筋”を作ってきました。
離脱は、この選挙基盤を直撃。
自民が単独・または新連立で早期解散に打って出るのか、あるいは当面は少数与党/閣外協力で凌ぐのか。
いずれにせよ、候補者調整と地盤の再設計が急務です。
“3つのシナリオ”で読む今後
シナリオA:少数与党(単独政権+案件ごとの協力)
- 成立確率:短期的には現実的。
- 条件:首班指名は通す。重要法案は維新・国民民主・無所属の「個別乗り合い」で対応。
- リスク:参院での否決・継続審議が常態化。補正予算や税制改正で政策の歯切れが鈍る。
- 延命装置:政治資金規正の抜本改正で“信頼回復”を演出、公明の復帰余地を残す。
シナリオB:新連立(自民+維新/国民民主など)
- 成立確率:交渉力次第。
- 条件:政治資金改革を最優先で合意。防衛・成長戦略で接着剤を作る。
- リスク:社会・家族政策や増税/減税のイデオロギー差が火種。地方組織の“ねじれ”も。
- 期待効果:法案処理の安定と「自公依存からの脱皮」の新鮮味。市場には中立〜やや好感。
シナリオC:自公“条件付き復縁”
- 成立確率:中期的にあり得る。
- 条件:自民が資金規正の強化・公明の象徴政策に譲歩。要職配分で“面子”を立てる。
- リスク:保守強硬派の不満。改革トーンが骨抜きと見なされると民意の反発。
- 効果:小選挙区の地力回復。解散・総選挙の選択肢が再び現実味。
今、最も「効く」一手は何か
●最初の100日で“信頼の骨格”を
政治資金の全面可視化(電子化・リアルタイム開示、第三者監査)を“政権の起点”に位置づけること。この一点が、公明との距離、野党との協調、世論の許容度を同時に動かすレバーになります。
●対外・経済で“安心と攻め”の両立を
安全保障では現行戦略の継続と国会説明の丁寧さ、経済では成長投資×中期財政フレームの両建てを明確化。麻生・鈴木両氏の布陣を“錘”として活かし、政策運営に予見可能性を与えるべきです。
●選挙地図の引き直しを前倒しで
公明不在の小選挙区で一本化の相手を都道府県単位で設計。維新・国民民主・地域政党との選挙協力の可能性を、政策パッケージとセットで可視化すると、次の解散カードが“打てるカード”になります。
まとめ
・10/4の自民新総裁選出→10/10の公明離脱で、首班指名は「勝てても、統治が難しい」構図に。
・打開には政治資金改革が“入口”。ここを外せば、新連立も復縁も遠のく。



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