報道の概要:通報は午前2時台、容疑は「第一級ハラスメント」
米ミズーリ州プラスキ郡で、バージニア州在住のマケイラ・ヘイト(Makayla Annette Haedt、29)が訴追されました。
References:Bored Panda
容疑は第一級ハラスメント。郡保安官事務所の発表や訴状要旨によれば、9月18日未明、同郡ウェインズビルの住宅で「クーラーボックス内に胎児の遺体」があるとの通報があり、捜査が開始。
女性は前日夕に被害者男性宅を訪れ、テープで封緘された赤白のクーラーを手渡して去ったとされます。
男性は当初「飲み物だと思った」と周囲に相談したのち開封、直後に通報したと報じられています。
訴状によると、女性は当日「流産した」とメッセージを送っており、男性とは数年来のオン・オフの関係にあったとされます。
女性がクーラーを渡す際に「Here’s your kid(ほら、お前の子どもだ)」と言い残したとする供述も引用されています。
検察は、女性の行為が「正当な理由なく重大な精神的苦痛を与えた」として第一級ハラスメントに当たると主張。
法廷手続きは進行中で、保釈金や勾留の扱いは地元報道が継続して伝えています。
事件の時系列
- 9/17(夕):女性が男性に「流産した」旨を送信。夜、男性を車で迎え雑用に同行した後、男性宅に戻る。
- 同夜〜深夜:屋外で男性がゴミ焼却をしている最中、女性が緑色のテープで封緘された赤白のクーラーを手渡し、去る。男性は開封をためらい、家族・友人に相談。
- 9/18(未明):クーラーを開け胎児の遺体を確認した男性が通報。保安官事務所が臨場し検死官に引き継ぎ。
- 10/8:起訴状(probable cause)が裁判所に提出。容疑は第一級ハラスメント。
- 10/10以降:訴追・勾留・保釈等の続報。
重罪(felony)相当とする地元報道もあり、量刑区分や適用条文は今後の審理で確定していく見通しです。
なぜ「ハラスメント」で訴追なのか
本件は、胎児の取り扱いに関する直接的な罪ではなく、被害者に与えた精神的苦痛を軸にした第一級ハラスメントで訴追されています。
地元メディアの要約では、「正当な理由なく重大な精神的苦痛を引き起こした」ことが構成要件に当たりうるとされ、証拠として言動の経緯・メッセージ・クーラーの受け渡し状況などが重視されると読めます。
一方、米国では妊娠喪失(流産・死産)をめぐる刑事介入に慎重論もあります。
例えばジョージア州で流産後に遺体を不適切に処分したとして逮捕された事案は、その後に法的根拠が不十分として不起訴/ charges droppedとなりました。
胎児の法的地位や死体遺棄等の構成要件は州法によって異なり、刑罰的対応の射程が社会的に議論になっています。
本件は他者に対する「加害」要素(精神的苦痛)を正面に据えた点で、妊娠喪失そのものの非犯罪化と衝突しにくい構図を取っているといえます。
倫理とメディアの視点
(1)当事者のトラウマ
妊娠喪失は強い心理的打撃を伴い、衝動的・不適切な行動に傾くリスクも知られています。
ただし、個々の苦痛の存在は違法行為の免罪ではありません。
司法は心理状況を量刑判断で考慮し得る一方、他者に対する害が明確な場合は法的責任が問われます。
(2)バイラル化の功罪
本件は地元報道が一次情報で、そこから全国ネット/バイラル媒体へ拡散しました。
「ショッキングな見出し」がクリックを集める反面、法律名・手続き・時系列といった検証可能な事実が霞みがちです。
読者としては、地元局の原報や訴状要旨にあたることで、誤情報や誇張を避けられます。
(3)二次加害の抑制
SNS上では、被疑者・被害者の過度なさらし(私的特定・誹謗)が常にリスクです。
捜査・審理の進行を待ち、当局発表と法廷情報に基づく議論を心がけることが、当事者の尊厳と公正手続を守ります。
私たちが学ぶべき3つのポイント
- 一次情報を辿る癖
事件の「強い言葉」より、訴状・容疑名・日付を優先して確認する。
地元局(KY3)や保安官事務所経由の一次ソースが基礎です。 - 法の射程を理解する
妊娠喪失の非犯罪化と、他者への害に対する刑事責任は別問題。
別州の不起訴事例と併せ、州ごとの法体系を丁寧に読む。 - 報じ方/読み方の配慮
センシティブ事案では、詳細な描写を避ける編集配慮と、当事者への二次加害を生まない読者側の態度が不可欠です。
まとめ
本件で検察が立てた理屈は、胎児の法的地位そのものではなく、被害者男性が受けた精神的苦痛に焦点を置くものです。
妊娠喪失の刑事化という敏感な領域を避けつつ、具体的な被害(emotional distress)を立件の柱に据えたと理解できます。
今後の審理では、受け渡し時の言動・メッセージ・封緘状態・通報の経緯など、事実認定の積み上げが核心となるでしょう。
センセーショナルな見出しだけで消費せず、一次情報に基づく冷静なフォローを続けたいと思います。



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