プレイドが「KARTE AI」を発表——人×AI協働でCXを再設計する

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プレイドはCXプラットフォーム「KARTE」をAIネイティブへ進化させる方針「KARTE AI」を公表し、開発組織をKARTE AI Transformation Departmentへ改編すると発表しました。
References:PR TIMES

狙いは、1stパーティデータと人の創造性を核に、顧客理解→体験の設計・配信→運用の自動化までを“人とAIの協働”で一気通貫にすることです。

KARTE提供10周年を節目に、同社は「一定品質をAIで均質化した先に、ブランド固有の価値を作る」という競争軸を明確化しました。

報道の概要

  • 方針名
    KARTE AI(KARTEシリーズのAIネイティブ化)

  • 組織
    11/1付で開発組織を改編(KARTE AI Transformation Department)

  • 提供価値
    1stパーティデータ×AI×人の創造性で“人に向き合うCX”を強化

  • 背景
    生成AIの一般化で「一定水準」だけでは差別化できないという危機感と、カスタマーデータを企業独自性の源泉にする設計思想。

KARTE AIの3つのフォーカス

  1. AIとともに顧客を理解する
    新機能「ナラティブレポート」が、行動推移や施策効果、特徴的な行動パターンを自然言語で要約
    担当者の解釈・発想を引き出し、次アクションへ橋渡しする役割を担います。

  2. AIとともに体験をつくる・届ける
    新エディタ「フレックスエディタ」AIエージェントを搭載。
    自然言語の指示で施策編集・仕様質問への応答が可能になり、スピード×品質×ブランド適合の同時最大化を狙います。

  3. 業務プロセスのAIネイティブ化
    Remote MCP顧客分析〜パーソナライズ〜制作〜効果測定までをAIワークフロー化。
    さらにAIネイティブなヘッドレスCMS「Craft Cross CMS」や、開発基盤「KARTE Craft」(Craft Copilot/外部モデル接続/RAG等)で、“データ→体験”の変換と自動運用を拡張します。


いずれもKARTE公式のKARTE AI特設ページで方向性が再確認できます。

どこが新しいのか——均質化後の差別化戦略

生成AIの普及で、要約・翻訳・画像生成などは誰でも一定品質に到達します。

プレイドの主張は、そこで終わらず、

  1. “誰に・いつ・何を・どこで”を1stパーティデータで最適化
  2. 人の創造性(ブランドの文脈)を体験へ落とし込む操作面をAIで支援
  3. 業務をAIワークフローにして反復速度を上げる

という三層の同時強化です。

単発機能ではなくCXオペレーティングシステムとして“回る仕組み”を狙っている点が肝です。

期待できる効果(KPI例)

  • TTX(Time To eXperiment)短縮
    発想→実装→配信→検証の反復周期が高速化

  • 適合率の向上
    ナラティブレポート×1stパーティデータにより、誰に・何をのミスマッチ削減。

  • 運用コストの逓減
    制作・配信・ABのAIワークフロー化で人手の“移し替え”が可能。

具体ユースケース(イメージ)

  • EC
    週末訪問ユーザーは目的意識が高いという示唆→UIや訴求を変えた施策を即反映、結果は自動で要約・比較。

  • サブスク
    解約予兆クラスタへFAQ生成×FAQ内検索(RAG)を連動、能動支援→チャーン低減を狙う。

  • 金融・保険
    ヘッドレスCMSの構造化コンテンツ×パーソナライズ配信で商品理解の段差を解消。

導入チェックリスト(最初の90日)

  1. データ側の“土台”
    ID解決、同意管理、権限(RBAC/ABAC)、来歴(データリネージ)をKARTEに接続。

  2. 運用の“型”
    人→人+AI支援→AI主導+人監督の段階を定義。
    失敗時の停止・エスカレーションを明文化。

  3. 評価の“物差し”
    反復速度・一次解決率・CVR/解約率など成果指標を、要約(ナラティブ)と突き合わせる。

リスクと限界

  • ハルシネーション/過度自動化
    AI出力は人が監督する前提で。
    AIワークフローにも承認・監査ログを。

  • ブランド毀損リスク
    フレックスエディタでの生成はトーン&マナーのガードレール設計が必須。

  • ロックイン
    ヘッドレスCMS/開発基盤の活用範囲をAPI/データ可搬性で設計し、将来の選択権を確保。

日本発“CX OS”の挑戦

海外では巨大スイートがCDP+MA+生成AIを束ねる動きが進む一方で、日本発のKARTEは現場の運用容易性とスピードに振り切ってきた歴史があります。

今回のKARTE AIは、その延長線上で人の創造性を“引き出すAI”をプロダクトの中心へ据えたアップデート。

「均質化の先で差別化を作る」というメッセージは、国内企業の実装現場に刺さるはずです。

まとめ

  • KARTE AI=“人×AI”でCXを回すOS化

  • 顧客理解(ナラティブ)→体験づくり(フレックスエディタ)→運用自動化(Remote MCP/Craft)の三位一体

  • 1stパーティデータを独自価値に変換する設計で、均質化の時代に差を作る

次の一歩は、小さく早く回すPoC反復速度のKPI化
“見る”だけの分析を卒業し、“動く”体制を整えることが、KARTE AIの価値を最大化する近道です。

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